カテゴリ 美術・考古
中国手漉竹紙製造技術
[著者] | 陳剛 | |||
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[監修] | 稲葉政満 | |||
[翻訳] | 白戸満喜子 | |||
[定価] | ¥4,800 (税抜) | [発売日] | 2023年10月29日 | |
[ISBN] | 978-4-907051-87-7 | [Cコード] | 1040 | |
[ページ数] | 248ページ | [判型] | B5 |
内容紹介
文字や絵を伝えるだけではなく、祭祀に用いられて魂のよすがとなった中国の竹紙。紙質・墨色が上質で、宝の書物といわれた「宋刊本」を生み出した、伝統ある手漉き竹紙製造技術の貴重な研究報告。
目次
日本語版刊行にあたって
日本語版監修者のことば
序
第一章 概要
第一節 竹紙製造技術の発展
第二節 竹紙の種類と用途
第二章 竹紙製造技術の現状調査
第一節 江西省の鉛山における伝統的連史紙製造技術の復元
第二節 江西省の鉛山県鵞湖における毛辺紙製造技術
第三節 福建連城姑田鎮連史紙の製造技術
第四節 福建省将楽・順昌における毛辺紙製造技術
第五節 福建省長汀における玉扣紙などの竹紙製造技術
第六節 浙江省富陽・簫山の元書紙製造技術
第七節 浙江省のその他地域の竹紙製造技術
第八節 湖南省の竹紙製造技術
第九節 広東省仁化における重桶紙の製造技術
第十節 四川省・重慶市の竹紙製造技術
第十一節 雲南省・貴州省の竹紙製造技術
第三章 竹紙の伝統的製造技術の研究
第一節 連史紙の伝統的製造技術
第二節 貢川紙の伝統的製紙技術
第三節 毛辺紙の伝統的製造技術
第四節 元書紙の伝統的製造技術
第五節 表芯紙などの生料法による粗紙の伝統製造技術
第六節 熟料粗紙の伝統的製造技術
第七節 伝統的竹紙製造技術の特徴と多様性
第四章 伝統的な竹紙製造技術の科学的研究と保護
第一節 伝統的な竹紙製造技術の科学的研究
第二節 伝統的竹紙製造技術の保護
【附録一】 主要産地別 竹紙の種類・寸法・常用計量単位・用途
【附録二】 竹紙の伝統的製造法一覧表
【附録三】 井上陳政『清国製紙法』(一部)
【参考文献】
原著あとがき
訳者あとがき
著者/監修者/翻訳者紹介
著者略歴
陳 剛(ちん ごう)
1969 年生まれ。復旦大学文物与博物館学系教授。2004 年東京藝術大学において博士(文化財)を取得。専門は紙媒体の文化財の保存で、伝統的な製紙技術に関する科学的研究および紙が劣化するシステムとその防止の研究に従事。中国・日本・韓国で製紙技術を実地調査。著書に『中国北方手工造紙工芸』(共著、科学出版社、2021)、『中国手工紙 工芸与繊維分析図釈』(共編著、上海科学技術出版社、2023 年)など、研究論文多数発表。
監修者略歴
稲葉 政満(いなば まさみつ)
1975 年東京農工大学農学部卒業、1980 年東京大学大学院農学系博士課程修了。農学博士。東京藝術大学教授を経て、2020 年より同大学名誉教授および東京文化財研究所客員研究員。和紙文化研究会会長。英国V&A 客員研究員および学術会議連携会員など歴任。専門は保存科学、製紙科学で、文化財保存修復学会賞などの受賞歴がある。著書には『図書館・文書館における環境管理』(日本図書館協会、2001)、『和紙の手帳』(わかみ堂、2014)など、研究論文多数発表。
訳者略歴
白戸 満喜子(しろと まきこ)
青森県出身。慶應義塾大学卒業後、法政大学大学院にて日本近世文学を専攻。博士(文学)。和紙文化研究会編集委員、学習院女子大学などの非常勤講師。専門は書誌学で、書物を中心に印刷や出版物の用紙に関する調査・研究に従事。著書には『紙が語る幕末出版史』(文学通信、2018)、『書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控(クロニクル)』(文学通信、2020)など。