カテゴリ 美術・考古
チベット仏教発展史略 (発売元 国書刊行会)
[著者] | 王森 | |||
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[監修] | 田中公明 | |||
[翻訳] | 三好祥子 | |||
[定価] | ¥8,800 (税抜) | [発売日] | 2016年05月16日 | |
[ISBN] | 978-4-336-05969-7 | [Cコード] | 0015 | |
[ページ数] | 392ページ | [判型] | A5判 |
内容紹介
吐蕃末期からサキャ政権成立まで、400年に及ぶ分裂期を中心に、チベット族に関する鋭い分析を交えながらチベット仏教の発展史を系統立てて解説。また、きわめて独創的な「チベット十三万戸」に関する論考や、チベット仏教最大宗派ゲルク派の始祖ツォンカパ研究の代表的論文『ツォンカパ伝論』『ツォンカパ年譜』も収載。チベット学を志すものにとっての必携書である。
目次
第1章 吐蕃時代のチベット仏教
第2章 仏教の復興と広がり
第3章 ニンマ派
第4章 カダム派
第5章 サキャ派
第6章 カギュー派
(カルマ・カギュー派、ツェルパ・カギュー派、バロム・カギュー派、パクモドゥ・カギュー派)
第7章 その他諸派
(シチェー派、チューユル派、チョナン派)
第8章 ゲルク派(黄教)
第9章 元代の十三万戸について
第10章 明代におけるウ・ツァンの政治状況
付 録 ツォンカパ伝論、ツォンカパ年譜
著者/監修者/翻訳者紹介
王森 (ワンセン)
1912年河北省安新県生まれ。1931年北京大学哲学系に入学、インド哲学と仏教哲学を学 んだ後、仏教学者湯用彤(1893~1964)の助手を務め、46年に北京大学文学院東語系講 師。52年に中央民族学院研究部に派遣、副教授を経て、58年より中国科学院哲学社会科 学部民族研究所に着任。副研究員の後、研究員、歴史室主任、学術委員を歴任、同研究生 院教授として教育にも携わる。また、世界宗教研究所研究員、中国蔵学研究センター顧問 等多くの役職を兼務した。専門はチベット学、宗教学、因明学、古代文字学等多岐にわた る。本書のほか、チベット因明学の関連などで著書多数。教育者としてチベット研究の後 継者育成にも力を注いだ。1991年没。
田中公明 (タナカキミアキ)
1955年福岡県八幡市(現北九州市八幡東区)生まれ。1979年東京大学文学部卒(印度哲 学専攻)、84年同大学大学院博士課程満期退学。東京大学文学部助手(文化交流)を経て、 88年(財)東方研究会専任研究員。2014年公益法人化にともない(公財)中村元東方研 究所専任研究員となる。専攻は密教学、仏教美術、チベット学。利賀ふるさと財団「瞑想 の郷」(富山県)主任学芸員、北京日本学研究センター短期派遣教授等を務める。2009年、 文学博士(東京大学大学院)。この間、東京大学、慶應義塾大学等で非常勤講師として教 鞭を執る。また、ネパール(1988~89)、オックスフォード大学(1993)への留学や、十 数次にわたりチベット仏教圏の調査をおこなう。インド・チベット・ネパールの仏教と美 術に関する著書50冊(共著を含む)、論文約150点。
三好祥子 (ミヨシショウコ)
1969年三重県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科東洋史学専攻修了(文学修士)。修了後、 青海師範大学、青海師範大学民族師範学院へ語学留学、中国語とチベット語を学ぶ。会社 員を経て現在はフリーランス翻訳者。 翻訳論文に張生「一九三七年の選択─性格と運命[周仏海日記解読]」(『中国21』Vol.31, 2009)、黄美娥「『台湾文学』と『中国文学』の接木及びそれに関連する言語と文字の問題 ─戦後初期の国語運動から論ず(一九四五-一九四九)」(『近代台湾の経済社会の変遷 日本とのかかわりをめぐって』東方書店、2013)、黄秀端「民主化と台湾国会政治」(『民 主と両岸関係についての東アジアの観点』東方書店、2014)など。