カテゴリ 美術・考古
冤罪ー中国の誤審はなぜ起きたかー
[著者] | 何 家弘 | |||
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[翻訳] | 古賀 啓一郎 | |||
[定価] | ¥4,800 (税抜) | [発売日] | 2020年04月01日 | |
[ISBN] | 978-4-907051-52-5 | [Cコード] | C1032 | |
[ページ数] | 280ページ | [判型] | A5 |
内容紹介
殺されたはずの被害者が生きていた―― あるはずのない事実から浮かび上がる、冤罪事件の真相。 中国の法学者が、大きな反響を呼んだ二つの事件を足がかりに、誤審の要因に迫る!
目次
序言
前論 刑事事件誤審問題の実証研究
一、刑事事件誤審研究の最初の事例
二、誤審発生原因のアンケート調査
三、証拠と誤審の関係アンケート調査
四、殺人誤審50 件の原因分析
前編 縢興善冤罪事件
誤謬その一 規則違反の期限付き検挙
一、全力で当たる捜査検挙
二、膠着打開の道
三、願望とは裏腹な検挙の起請文
誤謬その二 「供述から証拠」の捜査方式
一、刑事拘留と収容尋問
二、復顔術と傷痕照合
三、「供述から証拠」と「自供コンプレックス」
誤謬その三 やまぬ拷問自白強要
一、立証不能の拷問
二、驚くべき拷問の実例
三、拷問の行動分析
誤謬その四 科学的証拠の不適切な解釈
一、種別認定と同一認定
二、傾向性意見と確定結論
三、試験的科学と成熟科学
四、双方向関連と一方向関連
誤謬その五 主観的・一面的な捜査採証
一、死角に入る無罪証拠
二、裁判所指定の弁護人
三、無駄ではなかった証拠調査
四、異論のある死刑執行
五、偶然発覚した事件の真相
六、遅い名誉回復
後編 佘祥林冤罪事件
誤謬その六 原則を放棄し、民意に迎合
一、遺体女性の身元
二、幸せな結婚に潜む危機
三、否認を通す容疑者
四、司法に影響する民の怒り
誤謬その七 引くに引けず、期限超過拘留
一、要領を得ない自白供述
二、双方譲らぬ法廷審判
三、進退窮まる難解事件
四、根絶困難な期限超過拘留
誤謬その八 有名無実の相互制約
一、協力偏重の共同事件処理
二、捜査中心の訴訟モデル
三、売り手市場と買い手市場
誤謬その九 有名無実の法廷審判
一、「審理前に判決」の裁判形骸化
二、「判決者審理せず」の裁判形骸化
三、裁判形骸化の実証研究
誤謬その十 証拠不足 疑わしきは軽く
一、無罪推定の挙証責任
二、「疑わしきは罰せず」の証明基準
三、中国を震撼させた「死者の生還」
四、挫折人生の辛酸
後論 刑事司法制度の進化と改良
一、刑事司法制度の進化
二、証拠調べ制度の改良
三、人権保障制度の改良
四、刑事証拠制度の改良
五、法廷裁判制度の改良
六、司法判例制度の改良
七、申し立て再審制度の改良
著者/監修者/翻訳者紹介
【著者】
何 家弘(か かこう)
米国ノースウェスト大学法学博士(SJD)、中国人民大学法学教授、腐敗防止法治研究センター長、証拠学研究所所長。最高人民法院特別顧問を兼任。FIFA規律委員会委員。
2006年~2008年中国最高人民検察院職務犯罪検察庁副庁長に就任。数多くの犯罪小説を執筆。
【翻訳者】
古賀 啓一郎(こが けいいちろう)
昭和28年生まれ。東洋大学中国哲学文学科卒業。中国語通訳翻訳専門職として、警視庁に奉職。約40年間、主に司法関連の通訳翻訳に従事。平成31年3月定年退職。