唐長安 大明宮 上巻 (発売元:ゆまに書房)
[著者] | 楊鴻勛 | |||
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[監修] | 向井佑介 | |||
[翻訳] | 向井佑介/髙井たかね/田中一輝 | |||
[定価] | ¥23,000 (税抜) | [発売日] | 2021年05月31日 | |
[ISBN] | 978-4-8433-6021-7 | [Cコード] | 1322 | |
[ページ数] | 240ページ | [判型] | A4判/上製・カバー装 |
内容紹介
大唐帝国の都・長安を代表する宮城・大明宮、200年にわたって唐王朝の政治・儀礼・外交の中枢として重視された。 遺跡全体が近代まで比較的よく保存、建築史・建築考古学の視点から、往時の大明宮のすがたを鮮やかに描きだす。 芸術的鑑賞に堪える見事な建築復元図、一枚一枚が厳密な学術的考証をふまえているばかりではなく、芸術的鑑賞に堪える見事な出来となっている。 近年の大明宮を含む唐長安城の考古学的発掘成果と歴史文献の記述を丹念に整理・検証した本書は、まさに大明宮の全容を明らかにした唯一の書。
目次
日本語版の刊行にあたって 向井佑介
序
第一章 大明宮の創建と廃棄
第一節 隋宇文愷が設計した都城の傑作とその構造的欠陥
第二節 唐王朝が高燥の地に開拓した新宮――「東内」大明宮
第二章 歴史に埋没した盛唐随一の宮苑群をさぐる
第一節 大明宮の規模壮大な宮城
第二節 三朝の大殿――含元殿・宣政殿・紫宸殿
第三節 園林化した宮殿群――別殿・亭・観
第四節 宮内官衙
第三章 壮麗な丹鳳門――明徳門を手本とした創造性の発揮
第一節 丹鳳門――大明宮の正門
第二節 城門墩台遺構の現存状況
第三節 城門墩台原状の検討
第四節 複合体としての丹鳳門楼観
第五節 対峙する闕楼
第六節 丹鳳門外の門僕値房と門内の龍首渠・下馬橋
著者/監修者/翻訳者紹介
〔著者略歴〕
楊ヤン 鴻ホン勛シュン(よう こうくん/Yang Hongxun)
1931年生まれ。中国河北省蠡県出身。建築史学者、建築考古学者。
1955年清華大学建築系卒業、1956年より中国科学院土木建築研究所に属し、のちに中国社会科学院考古研究所研究員となる。中国建築学会建築史学分会理事長を務め、復旦大学・同済大学・華南理工大学などの教授を兼任、1996~1997年には日本の京都大学人文科学研究所に研究滞在している。2016年4月逝去。
主な著書に『建築考古学論文集』(文物出版社、1987年)、『江南園林論』(中国建築工業出版社、2011年)、『園林史話』(社会科学文献出版社、2012年)、『宮殿建築史話』(社会科学文献出版社、2012年)、
『大明宮』(科学出版社、2013年)などがある。
〔監訳者・翻訳者略歴〕
向井佑介(むかい ゆうすけ) 監訳および第一章・第二章・第四章第一節四〜第五節担当
1979年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程から京都大学人文科学研究所助手・助教、京都府立大学文学部講師・准教授をへて、京都大学人文科学研究所准教授。専門は中国考古学・歴史考古学。著書に『中国初期仏塔の研究』(臨川書店、2020年)、共編著に『シルクロード発掘70年 雲岡石窟からガンダーラまで』(臨川書店、2008年)、監訳書に『埋もれた中国古代の海昏侯国(一)~(三)』(樹立社、2019年)など多数。
髙井たかね(たかい たかね) 第三章・第四章第一節一〜三担当
1973年生まれ。京都大学卒業、1999年京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了、修士(人間・環境学)取得。2004年7月同研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、京都大学人文科学研究所助教。専門は中国家具・生活空間史。共著に『清玩 文人のまなざし』(研文出版、2015年)、『術数学の射程―東アジア世界の「知」の伝統―』(臨川書店、2021年)、訳書に『中国文化財図鑑 第5巻 家具』(科学出版社東京発行・ゆまに書房発売、2016年)など多数。
田中一輝(たなか かずき) 第五章〜第九章担当
1983年生まれ。立命館大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。椙山女学園大学文化情報学部講師。専攻は中国古代・中世史。特に西晋政治史・漢魏洛陽城・北朝史学史を研究。著書に『西晋時代の都城と政治』(朋友書店、2017年)、共訳に『洛陽銅鏡(上下巻)』(科学出版社東京、2016年)、『北魏道武帝の憂鬱:皇后・外戚・部族』(京都大学学術出版会、2018年)など多数。